繊維のあるお肉などは包丁を前に押しながら切るのが料理のポイント

繊維のあるお肉などは包丁を前に押しながら切るのが料理のポイント

料理をする際に必ず使用するのが包丁です。
近年はキッチンばさみで調理することも多くなっているのですが、それでも包丁は料理に欠かせない調理道具の一つであり、正しく使用しないと素材を生かすことができず料理にも影響が出てしまいます。
包丁は何を切るかによって選ぶことが多く、さびにくくて扱いやすいステンレス製が手ごろです。
包丁の特性として刃先の方が刃元よりも切れ味が良く、肉や魚は刃先を使用して斜め手前に引くように切るのがポイントとなっています。
こうすることで肉のように柔らかい食材の物も綺麗に切ることができます。
ですが肉の中には繊維質の物もあります。
このような場合は手前に引いてもうまく切ることができません。
そのため野菜を切る要領で行うのが良く、真下にストンと下ろすよりも斜め下に押し出すようにして切った方が繊維を断ち切ることができます。
刃先で切るだけの用途ではなく、押し出したり腹の部分を使用したりと使い方は様々です。
食材に合った方法で使用するとスムーズに切ることができます。

包丁の使い方で食感が変わるため切り方は重要

料理好きの方ではもはや常識とも言えますが、普段からあまり料理をしないという方や、調理器具に興味がない方には「包丁の使い方一つで食感が変わる」というのは驚きではないでしょうか。
食材には繊維があり、その繊維に添って包丁を入れるのか、それとも逆に切るのかで実は大きく味も食感も変わるのです。
特にお刺身やお肉は繊維に添って切ることで旨みが逃げにくくなる、根菜であれば角を丸くする面取りを行うことで、煮崩れを防げると言ったメリットがあるのです。
またお刺身であれば、刃元から切っ先まで刃の全体を使って切ることで、美味しさが逃げないと言えます。
特に生ものは味の違いを感じやすいので、これまで意識したことがないという方も、ぜひ意識して使っていただきたいものです。
生ものだけではなくピーマンにも苦みを感じにくい切り方というものがあり、繊維に添って縦に切ることで苦みが抑えられます。
そのためみじん切りは苦みを感じやすいと言えるでしょう。

著者:鹿島惣一

筆者プロフィール

岩手県盛岡市生まれ。
料亭で働いています。
包丁の使い方や盛り付けの知識について執筆しています。